ということで大晦日。2022年がすぐそこまで来ております。
昨日の前半に続いて後半。いよいよウイスキー of the yearの各部門受賞ボトルの発表です。
ボトル of the year
銅賞
The Naked Grouse
ザ・ネイキッド・グラウス
(スコッチ・ブレンデッドモルト・ザフェイマスグラウス)
今年の7月に我が家にやってきたボトル。
渋くてスパイシー、リッチでフルーティ香りレーズン、渋茶、皮製品、蜂蜜、花味マスカット、レーズン、渋み、タンニン、スパイス、オレンジ、チョコレート余韻果てしなく長い、リッチでデリケート、ソフトになっていく感じが素晴らしいドロップ・アップ(1滴加水)香りは瑞々しさが出てきてソフトに。味にはバターのような柔らかさが出る。ミルクチョコレート。オレンジピール。タンニンは薄れるけれど、スパイスは増す。余韻は形が少し崩れやすくなる。ということで、ストレートがおすすめです。もちろん水を加えたり、ロックでも美味しいです。ブレンデッドの頃以上に、フルボディな一本になっていて癖になりそうです笑
以前から贔屓にしている雷鳥さんシリーズ。その中でも大の大好きだったザ・ネイキッド・グラウスがブレンデッドからブレンデッドモルトに変わったという恐ろしい事件。しかも価格はあまり変わってないんです。これは本当に事件です笑
と言いつつ、最近ネットで調べてみると結構値段上がってますね汗
いやー安いうちに買っておいて本当によかった笑
見つけられた際は是非ご賞味くださいまし。
銀賞
ピート・スモークとチェリーパイ、ストレートはより爽やか香りピート、炭、チェリーパイ、潮風、ベリー系の果実味塩っぱい、ピート、鮭の薫製、ウッディ、バター、ミント、シトラス余韻長い、蒸しパン、ほんの少しピリッとする、爽やかドロップ・アップ(1滴加水)香りはピート・スモークが強く前に出てくる。が穏やか。チェリーパイ感も増す。口に含むとスモークが口蓋を覆う。バターのような滑らかさが強調され、シトラスやミントは少し薄れる。余韻はマイルドに。スモークよりもピート感。
個人的にも大好きだったシルヴァノ・サマローリ氏が亡くなられたのは2017年2月のこと。2016年の作品であるこのボトルは氏の生前のボトリングと考えて間違いないはず。今ではお目にかかれないというか、見つけることができたとしても一体いくらなんだ?ってことになっているでしょう。
憧れのサマローリのボトルで幕を開けた2021年。それだけでも素晴らしいものですが、そのバランス感覚、味わい、香り、どれをとっても素晴らしいボトルでした。思い出したら飲みたくなってきた笑
金賞
Cragganmore 25年
クラガンモア25年
(スコッチ・シングルモルト・スペイサイド)
文句なしに今年一番美味しかったし、今年を代表する一本。
エレガントで複雑、スペイサイドここに極まれり香りエレガントな果実、ザクロ、シュガートースト、いちご、モルト味複雑、草原、キャンプ場の青空、ドライフルーツ、ヒリヒリとスパイシー、小鳥の囀り、樽、ダージリンティー、ブラックコーヒー余韻スモーク、力強くかつ繊細、ふと見つける紫陽花、湿った葉っぱドロップ・アップ(1滴加水)香りはスウィートに。甘い香水みたい。口に含むと、口蓋を満たす甘い煙。爽やか。後半、ヒリヒリ感が増す。湿っぽさは少し和らぎ心地よさが増幅。ドライというよりも温かいという印象。
実はこのボトルは転職祝いで嫁さんに買ってもらった一本でもあります。それだけに感慨深い。そして、ちゃんとちびちびと飲んでいるため、まだ液体が残っているという前例のない一本でもあります笑
毎年4月に、息子誕生日ということでクラガンモアを購入しているわけですが、それと上記の事情が重なって今年はこれまでにない豪華な一本が我が家にやってきました。
香りも味わいも、そして余韻も。誰も邪魔できない領域です。完璧。こんなボトルとの出会いは人生で何回あることやら。響21年やロイヤル・ハウスホールドと出会った時と同じような衝撃を受けました。素敵すぎる。
デザイン of the year
Water Proof
ウォーター・プルーフ
(スコッチ・ブレンデッドモルト)
パッケージの水滴。これが本物のように立体感があって面白いんです。そしてネックに巻かれているのも素晴らしくオシャレ。
今年はぶっとんだデザインのボトルは買ってないように思います。が、洗練されたデザインのものがいくつかあり、その中でもこのウォーター・プルーフはツボ。
グラス of the year
The Exclusive Malts Glendronach 1994 Aged 17 Years
ジ・エクスクルシブ・モルツ グレンドロナック1994 17年
(スコッチ・シングルモルト・ハイランド)
岡山市内のSALTLICK BAR(ソルトリック・バー)さんにていただいたこの一杯が今年のバーで飲んだウイスキーで最高。
地震があった際にワインがかかってしまってボトルは汚れてるけど、素晴らしく美味しかった。今年、バーでいただいた中で暫定1位です。特徴的なのが、アメリカンチェリーを思わせる香りと味わい。貴腐ワインやココアのようなニュアンスも魅力的。そして、このウイスキーが美味しすぎて、飲み終わった後もしばらくグラスの残り香を嗅いでいると、マスターがまさかの「おかわり」を注いでくれました!本当にご馳走様でした!!パッケージにアカトビ(もしくはトビ)が描かれているのも日本野鳥の会的にグッドですね。
こないだ、年末の挨拶も兼ねて再度ソルリックさんに訪れ、そしてまたこのボトルをいただきました。やっぱりうまい笑
グレンドロナックといえば、シェリー樽熟成で有名な蒸留所ですが、こんなにアメリカンチェリーの風味を纏うとは。昔からアメリカンチェリー味の飴とか好きだったのでドンピシャでしたね。そしてアカトビ。雷鳥に続いての鳥贔屓か!!??笑
ルーキー of the year
Session
セッション
(ワールド・ブレンデッドモルト・ニッカウヰスキー)
甘さが引き立つ軽やかなゼスティ香りオレンジ、クッキー、バニラ、オーキー、少しスパイス、りんご蜜味ビターチョコレート、軽やかで滑らか、シルク、少しべっこう飴余韻ほんのりピート、長過ぎない、案外ドライ、白胡椒ドロップ・アップ(1滴加水)バニラの印象が前に出てきてソフト。味わいも丸みを帯びるがドライ。軽やかでゼスティ。
値段のことを考えると、なんてお得な一本なのかと思いますね。んー、コスパ of the yearの最終選考に入れておいてもよかったかもなー笑
恐るべきニッカ・ウヰスキーさん。というかアサヒビールさんというべきか・・・。
コスパ of the year
Copper Dog
コッパー・ドッグ
(スコッチ・ブレンデッド)
瑞々しさ+ドライ=ゼスティなアップルパイ香り大麦、ドライ、草原に咲く白い花、瑞々しい、若干オイリー味モルティ、フルーティ、穏やか、滑らか、優しい口当たり、心地よいスパイス、アップルパイ余韻ドライ、火の通ったりんご、みかんの渋皮ドロップ・アップ(1滴加水)香りはより穏やかに。湿原の初夏。味はフルーティさが薄れモルティさと後半のゼスティさ。余韻はドライで甘味がキュッと詰まって押し寄せてくる。フルーティはここに集まった感じ。んー、口に含むたびにいろんな味わいが広がって複雑で奥行きのあるウイスキーかと思います。個人的には以前からブレンデッド・モルトが大好きなわけですが、このコッパー・ドッグにもブレンデッド・モルトの良さが非常に良く表現されていると思われます。いろんな側面が一口一口顔を出す。これはあの蒸留所の特徴かな?とか、はたまたこれはあれかな?みたいな。そんな楽しみが膨らむウイスキーです。これは本当におすすめ。ウイスキー of the yearとか、そういう問題じゃないんです。単純に美味しいとか美味しくないとかではなく、色々考えさせてくれる。それこそブレンデッド・モルトの楽しさかと思う夜でした。
ここまで色々考えさせてくれたコッパー・ドッグに完敗ですね笑
美味しいとか美味しくないとか、って次元をある意味超越しちゃってる。
そういう面でもコスパ最強です。ウイスキーととことん語り合いたい夜にもってこいです。
香り of the year
いよいよ最後の部門です。
Cragganmore 25年
クラガンモア25年
(スコッチ・シングルモルト・スペイサイド)
まさかのボトル of the year 金賞との二冠。まさに2021年の象徴です。
先ほどもあげましたが、その香りは「エレガントな果実、ザクロ、シュガートースト、いちご、モルト」です。
折角なので、今年の最後はこのクラガンモア25年を飲みながら綴りましょう。
最高のウイスキーとの出会い、これを幸せと呼ぶんでしょう。来年もいろんな素敵なウイスキーに出会える一年になりますように。
それではみなさん、今年も最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
2022年がみなさんにとって素敵な一年になりますように。
良いお年を!
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