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2022年6月22日水曜日

スコッチ世界売上ランキングTOP10 3/10

スコッチ世界売上ランキングTOP10に入っているブランドを掘り下げていこうという企画。
今回は3位のグランツについて掘り下げていきましょう。

3.Grant's
グランツ

Amazonから

製造元はウィリアム・グラント&サンズ社。創業者ウィリアム・グラントから現在まで5世代に渡って家族経営を貫いています。

個性的な三角ボトルで発売当時、一躍有名になったそうです(三角形は火、水、土を表現しているんだとか)。同社はスペイサイドにグレンフィディック蒸留所、バルヴェニー蒸留所、キニンヴィ蒸留所、そしてローランドにガーヴァン蒸留所(グレーン)とその敷地内にアイルサベイ蒸留所を所有しています。

もっとも安価で販売されている「トリプルウッド」(上記写真)は、グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィをキーモルトに、スペイサイドの25種のモルトがブレンドされており、キニンヴィ以外は100年前に創業者ウィリアム・グラントが考案した内容とほとんど変わっていないそうです。

1887年、ウィリアム・グラントが20年勤めたモートラック蒸留所を辞め、念願のマイ蒸留所を創業しました。それがグレンフィディック蒸留所。「鹿の谷」の意味を持つグレンフィディック蒸留所は創業当時、資金難だったため、カードゥ蒸留所などから中古のポットスチルを導入して使っていたそうです。

グレンフィディック IPA

その5年後の1892年にバルヴェニー城のマンションハウスを改造してオープンしたのがバルヴェニー蒸留所。バルヴェニーの意味は「山麓の集落」だそうです。敷地はグレンフィディック蒸留所と隣接。ポットスチルはグレンアルビン蒸留所とラガヴーリン蒸留所の中古品を当初は使っていたそうです。現在でも伝統的なフロアモルティングをおこなっています。1割程度を自社製麦芽で賄っているそうです。

バルヴェニー シグネチャー12年

1963年、シングルモルトをスコットランド以外の国々でも販売し、ブレンデッドウイスキー以外のスコッチを提供。現在のシングルモルトブームの第一人者です。また、グレンフィディックはシングルモルトとしては30年以上世界一の売上を誇ります。

また同じ年、グランツ用の原酒(グレーン)蒸留所としてローランドにガーヴァン蒸留所を創業。ヘンドリックスジンもこのガーヴァン蒸留所で作られています。

シグナトリー・ヴィンテージ エアシャー・グレーン(ガーヴァン)

1966年、ガーヴァン蒸留所の敷地内にレディバーン蒸留所(モルト)を開業。しかし、ウイスキー不況に伴い1975年に閉鎖。

1969年、ビジターセンター(グレンフィディック蒸留所)開設。業界で最も古いビジターセンターです。

1990年、グレンフィディック蒸留所、バルヴェニー蒸留所に隣接したキニンヴィ蒸留所をオープン。マッシュタンやウォッシュバックはバルヴェニー蒸留所内に置かれています。キニンヴィ蒸留所のシングルモルトはなかなか市販化されず、私も一度だけ200mlのボトルを購入したことがあるくらい。

キニンヴィ17年

そしてグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィの3蒸留所のモルトをブレンドしたモンキー・ショルダー。これがまたおいしいんですよ。。。と言いながら、2012年に我が家に来たボトルの写真及び記事は見つかりませんでした汗



2007年、ガーヴァン蒸留所の敷地内にアイルサベイ蒸留所(モルト)をオープン。

カバリュス ダルリンプル 7年 2011

一昨年 or 昨年に発売されたグランツ トリプルウッド スモーキーもストレートでしっかりスモークを楽しんで飲める逸品でした。

グランツ トリプルウッド スモーキー



いやー、掘り下げると結構我が家にグランツ・ファミリーのボトル来ていました笑
恐るべし世界3位。

それでは皆さん、良い夜を。


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2021年10月26日火曜日

Bar Lytton N(バー・リットン・エヌ)さんにて


はたまた、岡山市内のバー、Bar Lytton N(バー・リットン・エヌ)さんにて美味しいシングルモルトをいただきましたので、そのことを綴ります。

Bar Lytton N(バー・リットン・エヌ)さん

Westport 1996 19 yo
ウエストポート1996 19年

スコットランド・ブレンデッドモルト(ハイランド)
蒸留:1996年9月
瓶詰:2016年1月
カスクタイプ:バーボンホグスヘッド
57%

ウイスキー文化研究所オンラインショップから。
2016年3月6日(日)に開催された「ボトラーズ&クラフトウイスキーフェスティバル2016」を記念して、フェス会場内で販売していた「Westport 1996 19年」の一般販売を開始いたします。

「ウエストポート」とは、ハイランド・テインにある”首の長いポットスチル”で”樽のパイオニア”として有名な某蒸留所の原酒に、別の蒸留所の原酒が1滴ブレンドされたブレンデッドモルトとして流通しているボトラーズウイスキーです。今回はオフィシャルにはない19年モノ!土屋守いわく「ようやく見つかったクオリティーの高い樽」。樽の個性をしっかりと感じられる1本です。
おなじみの渡辺トモコ氏によるカニをあしらった版画ラベルも可愛いですね!

なるほど。グレンモーレンジィに+違う蒸留所の原酒をちょっとだけ加えた所謂「ティースプーンモルト」ということですね。

どうりで非常にバランスが良く、かつ穏やかでスムーズ。幸せな気持ちになる一杯なわけです。モルティさが心地よい。素敵な大人の一杯ってやつですね。


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2020年3月8日日曜日

Caballus Dalrymple Aged 7 Years


Caballus Dalrymple Aged 7 Years 2011
カバリュス ダルリンプル 7年 2011

ブレンデッドモルト・スコッチ
蒸溜:2011年
瓶詰:2018年
樽種:バーボンバレル
カスクNo.801555
カスクストレングス
59.9%

武川蒸留酒販売さんによる説明。
https://mukawa-spirit.com/?pid=140288274
「カバリュス」は、お酒と共に昔から人類と密接な関係のある“馬(学名: エクウス・カバリュス)”のように力強く躍動感ある様々な表情を見せる ウイスキーをボトルに詰めたシリーズです。
ダルリンプルはローランドのガーヴァン蒸溜所と同じ敷地内に2007年に設立されたある蒸溜所のモルトウイスキーをメインに使用したティースプーンモルト※で、ラベルの二頭の馬のように、兄弟蒸溜所のふたつのシングルモルトが寄り添っています。
バーボンバレルの7年熟成で、カスクストレングスボトリング。香りは、洋梨の 柔らかなトーンから徐々に蜂蜜、バニラクリームに変化し、胚芽クラッカー、 ミントがアクセントに加わります。味はオイリーで、蜂蜜レモン、バニラシロップの 甘みにペッパー、ナツメグのアクセント。フィニッシュにモルトの甘みが現れます。
日本での流通がほとんどないローランドのモルトウイスキーを99.9%使用した珍しい ティースプーンモルト。
<テイスティングノート>
香り:洋梨、蜂蜜、バニラクリーム、胚芽クラッカー、ミント
味:オイリー、蜂蜜レモン、バニラシロップ、ぺッパー、ナツメグ、モルトの甘み
※ティースプーンモルト:あるシングルモルトに他のシングルモルトをティースプーン1杯分加えた、ブレンデッドモルトで、99.99…%シングルモルトです。
馬の学名ってエクウス・カバリュス(Equus ferus caballus)っていうんですね!初めて知りました。Wikipediaによると、野生の馬Wild Horse(Equus ferus)の亜種だそうです。へー、亜種なんだ。

メーカーはウィスク・イー社。ウィスク・イー社のオリジナルボトリングって結構あるんですね。こちらも初めて知りました。https://whisk-e.co.jp/product_types/whisk-e/

オーシャンズ・シリーズとかは有名ですね。ウィスク・イー社のボトリングだったのか。なるほど。お魚のボトルデザインが印象的なやつです。





ティースプーンモルト
さて、今回のカバリュス・ダルリンプル7年 2011ですが、「ブレンデッドモルト」と表記されていますが武川蒸留酒販売さんの説明の通り「ティースプーンモルト」というウイスキーです。シングルモルトに、スプーン1杯別のシングルモルトをブレンドした、99.99%シングルモルトというもの。昨日も書きましたが、なんでこんなことをしないと行けないのかは謎です笑 大人の事情ということにしておきましょう。

このカバリュス・ダルリンプル7年 2011は、「ローランドのガーヴァン蒸留所敷地内に2007年に設立された」ということで間違いなくアイルサ・ベイ(Ailsa Bay)蒸留所のシングルモルトであります。「兄弟蒸留所の二つのモルト」っていうのは、ガーヴァン蒸留所のオーナーはウィリアム・グラント&サンズ(William Grant & Sons)ですので、同グループの所有するシングルモルト蒸留所グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィのうちのどれかということになるでしょう。

まー、どれが含まれているにしろ、99.99%はアイルサ・ベイということで間違いなさそうです。なんというか、非常に周りくどいですね汗

カスクストレングスで59.9%という度数があることに今日初めて気付きました汗 7年という若さを感じさせない円熟感があるのでさらさらと飲んでしまえるんですが・・・。このせいで昨日酔っ払ったのかな笑


オイリーで肉料理に合うウイスキー
香り
フルーティ、酸味の強い青りんご、蜂蜜、清涼感

ウッド、蜂蜜、レモン水、少し重たい油、胡椒

余韻
胡椒、ウッド、モルト、少し長め

ドロップ・アップ(1滴加水)
香りは蜂蜜レモン感が増す。味はウッドが強くなるのと胡椒のピリピリ感も強調される。余韻は短くなりスッキリ。

総じて「オイリー」な印象が結構強く残る。料理としては肉料理に合いそう。おでんの牛すじとかとめっちゃ合うと思う。ウイスキー自体が「ミーティー」なわけではないんですがね。ペッパーやレモンのニュアンスも肉に合うかな。蜂蜜感が吉と出るか凶と出るか。





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2020年3月7日土曜日

ティースプーンモルトとは?

相変わらずコロナウイルスによるパンデミックな3月7日です。

今日は「ティースプーンモルト」について、ちょいと語りたいと思います。
スコッチウイスキーは大別してブレンデッド、ブレンデッドモルト、シングルモルトに分別できます。

ブレンデッドとは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキー。ジョニー・ウォーカーやバランタイン、シーバス・リーガル、ザ・フェイマス・グラウス、ベルズ、デュワーズ、などなど数ある有名なブランドが挙げられます。今では、「スコッチ」という言葉そのものがこのブレンデッド・ウイスキーのことを指しているといっても過言ではないでしょう。

ブレンデッドモルトはモルトウイスキーたちをブレンドしたもの。昔で言うところのヴァッテッドってやつです。複数の蒸留所のモルトウイスキーをブレンドしたものです。有名なところで言うと、モンキーショルダー、スモーキー・ジョーとかがありますか。私の大好きな分野であります笑

シングルモルトと言えば、それぞれのモルト蒸留所からリリースされているウイスキーですから、それこそ何百とあります。スコッチでも100を超える。グレンリベット、マッカラン、ハイランドパーク、カリラ、ラフロイグ、オーバン、グレンモーレンジ、スプリングバンク、オーヘントッシャン、などなど・・・。名前をあげるとキリがないので。


ティースプーンモルトって何??
そして今回話したいティースプーンモルトってのは何か?って話です。これはつまり「ほぼシングルモルト」です!シングルモルトにスプーン1杯分の別のモルトを混ぜたブレンデッドモルト。それがティースプーンモルト。

どういう理由で、こんな大人の事情的なシングルモルトが生まれるのか、私には理解できません。だって、1滴別の蒸留所のモルトウイスキーを混ぜたからって何になるんだ!!??って感じでしょう。まさにその通りです。何が変わるというんだ?って。

しかし、そこは食品業界ですからね。難しいものです。納豆でも私は「100%国産の大豆」って言われない限り怪しいって思ってますからね笑。100%って結構大事なんですよ。1%でも別のものがあると、「大丈夫かな?」って思ってしまう性分で。


ティースプーンモルトってのは大人の事情???
そういう意味でもこの「ティースプーンモルト」ってのは興味深い。なぜ「シングルモルト」としては世に出せないのか?

大好きな武川蒸留酒販売さんで、「ティースプーンモルト」でフィルターかけただけでも、12種類に絞られました。
https://mukawa-spirit.com/?mode=srh&keyword=%A5%C6%A5%A3%A1%BC%A5%B9%A5%D7%A1%BC%A5%F3%A5%E2%A5%EB%A5%C8

ご興味ある方は是非ご覧ください。この中の1つが、今月の私が紹介するウイスキーの一つで間違い無いですから。

「シングルモルト」としては世に出せない、一般に言えない、そんなウイスキーがあるってだけで心くすぐられるというか心踊ってしまう、そんなウイスキーファンをどうか許してほしい笑

なんというか、こういう「大人の事情」って好きなんですよね笑
普通に考えたら「意味不明」ってところでしょうがね。そこをなんとか世に出したいと思って試行錯誤した大人たちの物語って言いますか・・・。

いろいろ想像力を掻き立てられるよね笑

「結局なんなんだよ??」ってね笑
でも、それこそウイスキーなんだと思う。別に答えなんてどうでもいいんだよってね。「そのウイスキー1杯で1万円です」って言われても「そうなんだ」ってのがウイスキーなんだよね。わかるかなー?わかんないよなー。って古いね笑 古すぎる。私もまだ物心ついていない頃のお笑いだし笑 親父が好きだったんだよなー。

本当は「シングルモルト」って言って世に出したいのに渋々ティースプーン1杯の別のモルトウイスキーを注いで「ブレンデッドモルト」って言って世に送り出す男の姿ってのをわかってほしい、そんなウイスキーですね。


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