明日から帰郷するため、ブログは三が日以降までお休みさせていただきます。
このウイスキー of the yearなる企画も今回で第6回。そして今年は、過去最高の50本を飲んだ年ですので、その選考も熾烈を極めました笑
改めて、この表彰の内容をおさらいさせてもらいます。
ほぼ毎週1本購入しているウイスキーたちの中から、これは本当に美味い!!って思ったベスト3を勝手に選ぶのが「ボトル of the year」の金・銀・銅賞。
次に、ボトルのデザインが単純に超おしゃれだったって1本に送る「デザイン of the year」。
そしてボトルを自分では買ってないけど、バーで飲んだものの中で一番GOODだった1杯に送る「グラス of the year」。というものです。
まずは、今年のノミネートボトルをずらりと並べてみたいと思います。
<Scotch Single Malt> 17
Kininvie 17 years old
Mortlach Rare Old
Tamnavulin Double Cask
Ileach Non Age(IB)
The Whisky Trail Islay Single Malt Scotch Whisky CAOL ILA 1999 by Speciality Drinks LTD(IB)
Gordon & Macphail Miltonduff 10 years old
Balmenach 2004(Connoisseurs Choice)
Glenglassaugh Evolution
Smokehead
Signatory Vintage "The Un-Chillfiltered Collection" DAILUAINE Vintage 1997
Speyside aged 8 years
Glenmorangie QUINTA RUBAN aged 12 years
Raasay WHILE WE WAIT 3rd RELEASE
Bruichladdich BERE BARLEY 2008
Glenmorangie NECTAR D’OR aged 12 years
Kilkerran aged 12 years
Signatory Vintage Benrinnes 1997
<Scotch Blended Malt> 5
Blue Hanger 9th Limited Release(Berry Bros. & Rudd)
Douglas Laing’s TIMOROUS BEASTIE Small Batch Release
Mackinlay’s Rare Old Highland Malt Whisky
Old Perth Peaty
Tasty Creations Peat &Fruity Batch 16 Old 10 Years
<Scotch Blended> 13
The Famous Grouse SMOKY BLACK
The Famous Grouse Aged 16 Years
William Cadenhead blended scotch whisky aged 12 years
Asyla by COMPASS BOX
William Lawson’s Premium Blended Scotch Whisky Aged 13 years bourbon cask finished
Johnnie Walker Blender’s Batch Wine Cask Blend
Chivas Regal Mizunara aged 12 years
Black Bull Kyloe
Johnnie Walker Blender’s Batch Triple Grain American Oak Aged 10 Years
White Horse aged 12 years
James Eadie’s TRADE MARK ‘X’
Johnnie Walker Black Sherry Edition
Haig Gold Label
<Scotch Single Grain> 4
Strathcolm aged 12 years
Signatory Vintage AYRSHIRE GRAIN 1998(ガーヴァン)
Loch Lomond Single Grain Finest Malted Barley
Cameron Brig
<Irish Single Malt> 1
Bushmills singlemalt irish whiskey aged 10 years
<Irish Blended> 1
The Pogues
<Japanese Blended> 1
The Blend of Nikka Selection Maltbase Whisky
<Japanese Single Malt> 3
Yoichi peaty&salty
Yoichi sherry&sweet
Yoichi woody&vanillic
<Japanese Grain> 1
Nikka Coffey Malt Whisky
<Boubon> 2
I.W.Harper GOLD MEDAL
Dr.James Crow's OLD CROW
<Tennessee> 1
George Dickel No.12
<Canadian> 1
Canadian Club DOCK No.57 Black Berry
そして、この50本の中から、まずは10本に絞りました。
●Kininvie 17 years old キニンヴィ17年(OB スコッチ・シングルモルト)
●Gordon & Macphail Miltonduff 10 years old ミルトンダフ10年(ゴードン&マクファイル スコッチ・シングルモルト)
●Bruichladdich BERE BARLEY 2008 ブルイックラディ ベア・バーレイ2008(OB スコッチ・シングルモルト)
●Glenmorangie NECTAR D’OR aged 12 years グレンモーレンジィ ネクタードール12年(OB スコッチ・シングルモルト)
●Signatory Vintage Benrinnes 1997 ベンリネス1997(シグナトリーヴィンテージ スコッチ・シングルモルト)
●Blue Hanger 9th Limited Release ブルー・ハンガー9thリミテッド・リリース(ベリー・ブラザーズ&ラッド スコッチ・ブレンデッドモルト)
●The Famous Grouse Aged 16 Years ザ・フェイマス・グラウス16年(スコッチ・ブレンデッド)
●James Eadie’s TRADE MARK ‘X’ ジェームス・イーディー トレードマーク'X'(スコッチ・ブレンデッド)
●Bushmills singlemalt irish whiskey aged 10 years ブッシュミルズ10年(アイリッシュ・シングルモルト)
●Yoichi peaty&salty 余市ピーティ&ソルティ(ジャパニーズ・シングルモルト)
いやー、ここまで絞るのに1ヶ月かかった汗
さて、そしてこの中からいよいよベスト3を発表します!
◆ボトル of the year 2018 銅賞
Kininvie 17 years old
キニンヴィ17年
(OB スコッチ・シングルモルト)
Batch No.001
Bottle No.28263
42.6%
35cl
グレンフィディック、バルヴェニーに次ぐ、ウィリアム・グラント&サンズ社の隠れたシングルモルト銘柄。1990年稼働。この3つの蒸留所のブレンデッドモルトであるモンキーショルダーが数年前に発売された頃から気になっていた1本。みずみずしいブドウやパイナップルみたいな香り。その中にあるビターなナッツ感。口に含むと、ふくよかでどっしりしたバニラ風味がたまらん。ピリリと舌の上をスキップするような軽やかなゼスティさと、バニラの甘さ。驚くほど長い余韻。タンニンっぽさはあまりないけど、口の中に残る多幸感。これはたまりませんね。
さすがはグラント家。グレンフィデック、バルヴェニー、キニンヴィ。どれも本当に素晴らしいシングルモルトです。バルヴェニーは、私が勝手にやっている「ウイスキー of the year」で2014年(第2回)のGOLD(最優秀賞)を獲得した銘柄であります。
やはり、グラント家。さすがです。
と申していた通り、素晴らしいウイスキーです。「幻の蒸留所」と言われたりもするなかなか御目に掛かることがなかった銘柄。1月の誕生日に誕生日プレゼントとして買ってもらった1本であります。もう少し、メジャーな蒸留所になっていってほしいですね、グレンフィディックやバルヴェニーみたいに。
◆ボトル of the year 2018 銅賞
James Eadie’s TRADE MARK ‘X’
ジェームス・イーディー トレードマーク'X'
(スコッチ・ブレンデッド)
45.6%
ブレンデッドスコッチウイスキー。
まず、武川蒸留酒販売さんの説明文を引用。
ジェームズ・イーディー社は元々スコットランドのバートン・オン・トレントにジェームズ・イーディーによって1854年に設立したビールの醸造会社です。しかし1933年にバス社に売却され姿を消してしまいます。時は立ち2016年にワイン・ウイスキー業界で経験を積んだ創業者の玄孫であるルパート・パトッリックによってインディペンデントボトラーとして復活しました。
トレードマークXは1940年代まで生産されていたジェームズ・ イーディー社が所有していたブレンデッドウイスキーのブランド (1877年商標登録)で、今回創業者の玄孫であるルパートが 満を持して2017年10月に復活をさせました。 きっかけは、ルパートが当時の古いボトルを手に入れたことに 始まります。このウイスキーに興味を持った彼は国立醸造資料館で 運良く当時のレシピを発見し、このウイスキーを復活させようと 尽力しました。
資料に記されていたリトルミル、ラガヴーリン、 カリラ、タリスカー、グレンドロナックを含むモルトウイスキー12種と グレーンウイスキー2種をブレンド。
40年以上の経験を持つ ノーマン・マティソンをマスターブレンダーに迎え、 著名なウイスキー評論家・デーブ・ブルームなどの協力のもと、 当時のレシピをもとに現代に復活させました。
約70年ぶりの復活を遂げた彼らの熱き情熱のこもった、 しっかりとピートの効いたこのブレンデッドウイスキーは、 シングルモルトファンにも十分お楽しみいただける味わいです。
このジェームズ・イーディー トレードマーク Xのボトルにも「設立1854年 商標登録1877年 復活2017年」と明記されています。リバイバルですね、つまり。
リトルミル(閉鎖蒸留所)、ラガヴーリン、カリラ、タリスカー、グレンドロナックという並べてみただけで涎垂のモルトが使われているのですね。
それを考慮するまでもなく、このウイスキーは本当に美味しい。奥行きを感じさせるピート感がグッド。
まず、香りはピートでありソルティ。レーズン、ドライフルーツ、青々とした芝生。
味わいは、ピート、桃、マンゴー、梨、バター、レーズン、ホワイトチョコ。モルティ。
そして力強く鼻から抜けていく。
良いね。グッドです。本当にグッド。
こういうウイスキーを探してたんですよ。長いこと。
ぜひ、皆さんに飲んでいただきたい。ピーティなウイスキーが初心者向けじゃないとか言う人がいるとしたらそれは大きな間違い。確かに飲みやすさという点で行けば壁になりかねないピートだけども、このトレードマーク Xは、そんな概念を蹴飛ばしてくれるほど饒舌。一口ごとにいろんな言葉をもたらしてくれる素敵なウイスキー。
いやー、すいません。今回は3位の銅賞を2つ選ばせてもらいました。このトレードマーク'X'も捨てきれない素晴らしいブレンデッドだったもので。うん、文句なく美味しかった。
◆ボトル of the year 2018 銀賞
Bruichladdich BERE BARLEY 2008
ブルイックラディ ベア・バーレイ2008
(OB スコッチ・シングルモルト)
アンピーテッド
ノンチルフィルタード
カラーリングフリー
50%
古代種の大麦、ベアバーレイを使用したノンチルフィルター、ナチュラルカラーの一本。
ベアバーレイは、1000年以上前の9世紀ごろスコットランドへ、当時オークニー島を支配していたヴァイキングが持ち込んだ古代種の六条大麦“ベア・バーレイ”を原料に造ったシングルモルトウイスキー。「ベア(BERE)」と呼ばれるこの麦は、スコットランドの麦の最古の品種だそう。2014年のボトリングということで「6年もの」と言ってしまって問題ないかと。
ちなみに、ブルイックラディとはゲール語で「海辺の丘の斜面」という意味らしい。
まず、色はライトなイエロー。明るい金色みたいな色。
香りは麦の麦らしさが伝わって来るって感じの香り。その中にクリームとかフルーツとかを感じる。りんごの間にチーズを挟んだ食べ物ありますよね?なんかそんな感じ。蜂蜜と牛乳を混ぜた飲み物みたいな。ん?それはJohn Lennon & Yoko Onoの"Milk & Honey"か??
味わいはこれがまた力強い。ビールってこんな感じかな?「のどごし」がある。飲みやすさと軽やかなスパイス。ゼスティってやつ。アンピートなんだけど、なんかピートっぽさを感じる。それはこの大麦「ベアバーレイ」の仕業か?
余韻は長く心地よく。充実感に満ちた感じ。
って、べた褒め笑
限りなくパーフェクトに近い飲みやすさと力強さ。これはハマる。さすがはブルイックラディさんですわ。考えてみれば、昨年のウイスキー of the yearは、ブルイックラディさんのオクトモアでしたしね。https://d-ksmt.blogspot.com/2017/12/of-year-2017.html
なんか合うんですよね。
当時語っていたように、本当に美味しいウイスキーだと思います。ここまで印象的なシングルモルトも珍しいかと。恐るべきブルイックラディ。
◆ボトル of the year 2018 金賞
Blue Hanger 9th Limited Release
ブルー・ハンガー9thリミテッド・リリース
(ベリー・ブラザーズ&ラッド スコッチ・ブレンデッドモルト)
新年はじめのウイスキー。ブルーハンガー9th。気品溢れるブレンデッドモルト。ブナハーブンのヘビリー・ピーテッド「モンニャ」やグレンエルギン、クライヌリッシュ、そしてライトなブナハーブンがブレンドされているらしい。本当に素敵なウイスキー。「飛ぶ鳥 跡を濁さず」ってことわざが何故か思い浮かぶ。素朴な後味のせいか。ギュッときて、ふわーっとなって、シューっと去って行く。後味のクッキーみたいな焦げたニュアンスがまた素敵なんですわ。
香りはレモン系の柑橘、白桃、ビターなチョコレート、蜂蜜、バニラアイス、黄色い花。口に含むと軽やかなスパイシー(ゼスティって表現を最近覚えた)、意外とドライ、フィニッシュにかけて顔を出すピート&スモーキー。しかし、その奥にあるフローラル感。それから後味のクッキー。素敵な余韻。まさに「飛ぶ鳥 跡を濁さず」に相応しい見事なフィニッシュ。羽生くんの着地。
堂々の金賞は年初めの1本、ブルー・ハンガー9thリミテッド・リリース。嘘偽り一切なく、今年1年で一番うまかった。いまだに忘れられない、その味。
「羽生くんの着地」ってのはちょっと舞い上がりすぎたか笑
年初めは毎年、普段手を出せない高級なウイスキーを買うわけですが、その年初めのウイスキーがウイスキー of the yearで金賞に輝いたのは今回が初めて。それだけ強烈に美味だったのであります。2018年の一年間、このブルー・ハンガー9thリミテッド・リリースを思わずにウイスキーを飲む日があったでしょうか。
年明けに30周年を迎える私の人生の中でも指折りのウイスキーです。バーなどで見かけた際は、ぜひお試しください。
◆デザイン of the year 2018
Glenmorangie NECTAR D’OR aged 12 years
グレンモーレンジィ ネクタードール12年
(OB スコッチ・シングルモルト)
グレンモーレンジィさんのネクタードール12年。中身も素晴らしく美味しいのですが、デザイン of the yearに選ばせてもらったのは、その箱。触り心地の良いツルツルとした質感。鬼のようにかっこいい。一見、シンプルなんですが、この箱はやばい。ぜひ手にとってもらいたい箱です。
◆グラス of the year 2018
Signatory Vintage Glenallachie 1985(bottled 1996)
シグナトリーヴィンテージ グレンアラヒー 1985
1996年瓶詰めの11年もの。繊細で心地よいウイスキー。スペイサイドらしいスペイサイド。上品さと優雅さの見事なハーモニー。1996年瓶詰めということで、瓶詰めされてから22年経つという代物。NEMOさんの品質管理へのこだわりも感じられる素敵なご挨拶でした。
東京・浅草のバーNEMOさんで飲んだ一杯。いまだにグレンアラヒーは買ったことがない。来年の課題ですね。
ということで、ウイスキー of the year 2018はこれにて終了。最後までお読みいただいて本当にありがとうございました。来年も相変わらずな酒飲みブログが続くかと思いますが、優しい目でお付き合いいただければ幸いです。
それではみなさん、良いお年を!!
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