2022年6月20日月曜日

スコッチ世界売上ランキングTOP10 2/10

昨日に続き、スコッチ世界売上ランキングTOP10に入っているブランドを掘り下げていこうという企画。

改めてですが、以下のサイトで2021年のスコッチ世界ランキングが20位まで紹介されており、それぞれのケース数も記されています。非常に分かりやすい。
1.Johnnie Walker (14.1 million cases)
2.Ballantine’s (7)
3.Grant’s (3.6)
4.William Lawson’s (3.3)
5.Chivas Regal (3.2)
6.Black & White (2.9)
7.William Peel (2.8)
8.Label 5 (2.6)
9.Dewar’s (2.6)
10.J&B (2.3)
11.White Horse (2.1)
12.Bell’s (2.1)
13.Passport (1.8)
14.Sir Edward’s (1.8)
15.Buchanan’s (1.5)
16.Teacher’s Highland Cream (1.4)
17.100 Pipers (1.3)
18.Clan Campbell (1.3)
19.Glenfiddich (1.2)
20.The Glenlivet (1.2)
ということで、今回は2位のバランタインについて掘り下げていきましょう。

2.Ballantine's
バランタイン

バランタイン17年

製造元はジョージ・バランタイン&サン社。現在のオーナーはペルノリカール社

ジョージ・バランタイン

歴史
1827年、ジョージ・バランタインはエディンバラで食料品とワイン、ウイスキー類を扱う商人アンドリュー・ハンターのもとでの徒弟奉公を終了し、エディンバラのカウゲートに小さな食料品店をオープン。その4年後、23歳のジョージはカウゲートからほど近いキャンドルメーカーズ・ロウに店を移す。(現行ボトルにも設立は1827年と記されています)

1836年、由緒あるサウス・ブリッジに店を構え、ジョージが得意とする顧客である貴族や上流階級を相手に、サービスと品質のよさでバランタイン社の商売は繁盛。

1853年、エディンバラでウイスキー商を営むアンドリュー・アッシャーが、熟成期間の異なるさまざまなモルトウイスキーを混ぜ合わせたヴァッテッド・モルトウイスキーを製造。アッシャーの友人であったジョージは、この発見と彼の苦心談に閃き、グレーンウイスキーとモルトウイスキーを混ぜ合わせブレンドの技術を磨き始めます。他社も同じようにブレンディングの技術を磨いていく中、ジョージは知識と経験をどんどん深め「バランタイン」の評判は高まっていきました。

1869年、ジョージは長男であるアーチボルトに商売を任せ、ウイスキーのブレンディングに打ち込むためにグラスゴーへ移住。ジョージはグラスゴーでウイスキーの卸売りを軌道に乗せ、独自のブレンデッド・スコッチの完成を目指す。これがのちのバランタイン17年の礎となったそうです。

1895年、ジョージから商売を引き継いだアーチボルトは、エディンバラの目抜き通りプリンシズ・ストリートに店を開く。この店は上流社会の人々に愛顧され、やがて国内外にバランタインの名が広まりました。

またその同じ年、グラスゴーではジョージ2世が父親(ジョージ)から事業を引き継ぎました。そしてヴィクトリア女王がグラスゴーを訪れ、バランタイン社に王室御用達の称号を授与。

1937年、マスターブレンダーのジョージ・ロバートソンによってバランタイン17年が生み出されました。ジョージ・バランタインがこの世を去って約50年の月日が流れた頃でした。(このバランタイン17年の極秘レシピは、現在に至るまでほとんど変わっていないそうです)

1938年、バランタイン社はブレンディングに必要なグレーンウイスキーを製造するための蒸留所をダンバートンに建設。敷地内には、小さなモルトウイスキー蒸留所や広大な貯蔵庫、ブレンディングやボトリングのための工場を併設。その総工費は300万ポンド、現在の日本の貨幣価値に換算すると700億円超。

また、スコットランド紋章院長官により、新生バランタイン社を象徴する紋章に認可状が交付されました。

バランタイン社の紋章

紋章の中央には4分割された盾があり、ウイスキーづくりの4大要素が描かれています。大麦清流(水)ポットスチル(蒸留釜)、そして

マスターブレンダー
また、バランタインは長い歴史の中でマスター・ブレンダーが5人しかいないというのも特徴的。

1.ジョージ・バランタイン 1827年〜
2.ジョージ・ロバートソン 1937年〜
3.ジャック・ガウディ 1959年〜
4.ロバート・ヒックス 1994年〜
5.サンディ・ヒスロップ 2005年〜

2代目のマスター・ブレンダーであるジョージ・ロバートソンこそ、バランタイン17年を世に送り出した人物。バランタイン17年は"THE SCOTCH"(ザ・スコッチ)と称されるスコッチ・ウイスキーの代名詞的存在です。

キーモルト
かつて「バランタインの魔法の7柱」と称されたスキャパ(アイランズ)、プルトニー(ハイランド、以下H)、バルブレア(H)、グレンカダム(H)、グレンバーギ(スペイサイド=以下S)、ミルトンダフ(S)、アードベッグ(アイラ)。そしてグレントファース(S)など。

現在、グレンバーギ、ミルトンダフ、グレントファースの3蒸留所は、「バランタインズ・シングルモルト」というシリーズで、ボトルに"Ballantine's"を冠したシングルモルトがリリースされています。グレンバーギ(15年・18年)、ミルトンダフ(15年)、グレントファース(15年・23年)。
※この3蒸留所は全てペルノリカール社所有

グレーン
ペルノリカール社が所有するストラスクライド(Strathclyde,ローランド)

個人的な話
バランタインには40年ものも存在するようですね。我が家に来た中(というかバーも含めて私が今まで飲んだ中)で一番熟成が長いのは30年もの。

2013年の正月のウイスキーがそれでしたね。


いまだにこの木箱は我が家の工具箱として活用されております。本当に素晴らしい箱なんです。バランタイン30年はどんどん値段が上がってますね。2013年当時、1万円強で購入しましたが、2019年の段階で2万円を超え、現在は3万円を超えております。おやおや。

ということで今回は世界2位のバランタインについてでした。
それでは皆さん、良い夜を。

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