2022年5月7日土曜日

Henry Mckenna


Henry Mckenna
ヘンリー・マッケンナ

アメリカン・バーボン
40%
輸入:マルカイコーポレーション

ヘンリー・マッケンナというブランド
ケンタッキー州バーズタウンにあるヘンリー・マッケンナ・ディスティラリーとラベルにも書かれていますが、現在はヘブン・ヒル社がブランドを所有・製造しているようです。

ヘンリー・マッケンナ氏は1819年にアイルランドのデリー州ドレイパーズタウン生まれ、1838年にアメリカ・ネルソン郡のケンタッキーに移住。若い頃、ヘンリーはアイルランドの蒸留所で一定期間働き、後に親戚の酒屋で店員をしていたそうです。

ケンタッキー州レキシントンで、同じくアイルランドのデリー州出身のエリザベス"リジー"マクギガンに出会い、1847年に結婚。夫婦はケンタッキー州ネルソン郡に引っ越して家を建て、ヘンリーは多くの移民のように道路の乗組員に肉体労働をしばらくしてました。

1855年、ケンタッキー州フェアフィールドに製粉所を創業。製粉所で出る廃棄物からウィート(小麦)ウイスキーを製造。その後、コーンを主原料とした本格バーボンを作るようになったそうです。生産量は1日1樽。5年熟成にこだわり、1890年代にはアメリカ全土で販売され、"Old Line Sour Mash Whiskey" (=古い製法のサワーマッシュ・ウイスキー)としてその名を轟かせたそうです。そして彼は75歳でこの世を去りました。

大恐慌とそれに続く第二次世界大戦は、会社の継続を難しくしました。家族は1941年にブランドと蒸留所をシーグラム社に売却。しかし、家族はウイスキーのレシピは売却しなかったそうです。

1980年代初頭、シーグラム社はヘンリー・マッケンナ・ブランドの国内権利をヘブン・ヒル社に売却。海外市場向けのブランドの権利は保持。その後、ヘブン・ヒル社が海外市場向けの権利も獲得。

といった具合に、波瀾万丈なブランドの歴史があるようです。

※参考URL

ヘンリー・マッケンナ・ブランドの特徴は、発酵過程での"サワーマッシュ方式"と熟成での"オープンリック方式"を採用していること。



"サワーマッシュ方式"とは
バーボン・ウイスキー製造で採用されている方法に、サワー・マッシュ法がある。前回蒸溜のさいに生じた蒸溜残液(アルコール分が取り除かれた残液、スティレージュと呼ぶ)の上澄みを、新しく糖化させようとするコーンなどの仕込み水に25%ほど加える方法。これにより、糖化条件がよくなり、酵母の栄養が補給され、製品の香味が増すといわれる。また、酵母を培養するさい、はじめに乳酸菌を生育させてPHを下げ、雑菌の繁殖をおさえることがある。これもサワー・マッシュ法と呼ばれる。ちなみに、マッシュはコーンなどに水を加えてトロトロになった状態のものをさす。マッシュ・ポテトのマッシュも、同じ意味。

"オープンリック方式"とは
熟成庫の窓を開けて風通しを良くして熟成させるやり方で、バーボンでは主流の熟成方法。

https://www.wlky.com/article/bourbon-barrel-recovery-underway-at-storm-damaged-warehouse/28150375

確かに、ダンネージ式やパラタイズ式、通常のラック式に比べて樽同士の隙間が広めに見受けられ解放感があります。スコットランドと比べて気温が高く、また温度差が大きいケンタッキー州に相応しい熟成方法なのかもしれません。




ソフトでドライな桃の天然水
香り
ソフト、少しオイリー、ナッツ

ドライ、チャー処理した樽、キャラメル、メープルシロップ、爽やか、桃の天然水

余韻
短い、果実感、ドライ

「オールドファッションド・ハンドメイド・ウイスキー」と呼ばれた1855年創業の銘柄は、非常にクセがなくて柔らかい。クセがなさすぎて「抜け」ている印象も受けますが、これはこれでアリだと思います。


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