2019年6月〜2020年3月にかけて、「スモーキー」に始まり、「ピーティ」「メディシナル」「ハーシュ」「ソーテルヌ」「シェリー」「マデイラ」「ポート」「バニラ」といったワードについて思いのままに綴ってきました。
これまでのものに捕捉したい部分もありますが、それはほっといて(笑)、今日は「エステリー」という表現について一般常識を整理し、またそれらを私の経験上のものと紡いでみることで、認識を一致させていきたいというのが狙いです。
まず、「エステリー」とは何か?サントリーさんによる説明。
エステリーとは、熟成による甘く華やかな香り。華やかさがふくいくと立ち昇れば、フラングラント(芳香性の)と評価され、リンゴや西洋梨のような果実香をもてば、フルーティー(果実香のある)と評価される。
続いて、楽しいお酒.jpさんによる説明。
ウイスキーの香りの表現のなかでも、ひときわ多彩な香りを表すのが「エステリー」です。「エステリー」は、樽から溶け出す成分とアルコールが、長期熟成期間中に化学反応を起こして生まれる「エステル」という物質がかもす香りです。「フルーティ」と表現される果実系や、「フローラル」といわれる花系の香りも、エステルによって生まれたもの。バーボン樽で貯蔵したウイスキーのなかには「接着剤の香り」といわれるものまであり、一言で表現するのが難しいのが「エステリー」という香りではないでしょうか。
では物質「エステル」とは何か?
エステル (ester) は、有機酸または無機酸のオキソ酸とアルコールまたはフェノールのようなヒドロキシ基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物である。単にエステルと呼ぶときはカルボン酸とアルコールから成るカルボン酸エステル (carboxylate ester) を指すことが多く、カルボン酸エステルの特性基 (R−COO−R') をエステル結合 (ester bond) と呼ぶ事が多い。エステル結合による重合体はポリエステル (polyester) と呼ばれる。また、低分子量のカルボン酸エステルは果実臭をもち、バナナやマンゴーなどに含まれている。
これらをまとめてみると、次のようになる。
「エステル」とは、樽の中でアルコールと樽から溶け出す成分(主にオキソ酸?)が反応して作られる化合物で、そのエステルがかもす香りが「エステリー」という表現のもと。それは「フルーティ」と表現される果実系の香り、「フローラル」(または「フレグラント」)と言われる花系の香りなどに表される。
といったところでしょうか。
ん?ってことは、ウイスキーってそもそも全部「エステリー」なんじゃないのか?ってのが個人的に一番感じることです・・・笑
確かに、それ以上にピーティやスモーキー、シェリーが前面に出てきて、「エステリー」とは言われづらいものも多々あるんだと思いますが。全てのウイスキーに「エステリー」は当てはまってしまう、というのは言い過ぎではないでしょう。実際、どんなウイスキーにも「果実」感や「フローラル」感は存在すると思いますし。
ウイスキー=エステリーってのは前提として良いと極論思います。そんな中でどんな果実感やフローラル感が存在するのか?ってのがエステリーを楽しむ醍醐味なのかもしれません。
いまいち、求めていたような結論が出ず、もやもやしてしまって申し訳ないですが笑
最後に、エステリーな香りを存分に楽しめる数々のウイスキーの中で、とりわけ忘れられない1本を紹介します。
Glen Elgin 10 years 2007
by Berry Bros & Rudd
グレン・エルギン10年 2007(ベリー・ブラザーズ&ロッド)
このウイスキーに関するテイスティングコメントが以下。
香りフルーツ缶、メロン、フルーツのグミとかキャンディ、蜂蜜、若干スパイシー味わいフルーツ由来の甘さ、やはりメロン、グレープフルーツ系のシトラス、スパイシーというかピリ辛(これがホワイトペッパーというやつか?)、クリーム余韻かすかなオーキーがカスク・ストレングスの贅沢さを物語る、心地よいシトラスとフルーツ感が鼻から抜けていく
本当に忘れられないフルーティな逸品。シトラスでメロン。香りのお化けでした笑
皆さんももしお会いすることがあれば是非ご一飲ください。
上記の商品はamazon、楽天ともに見当たらなかったのですが、同じベリー・ブラザーズ&ラッド社のグレンエルギンで気になる商品があったのでリンクを貼っておきます。2007年蒸留の12年もの。1stフィルのペドロ・ヒメネス、シェリーバットで追加熟成させている垂涎の一本。
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