今回は、ジェームズ・ブキャナン社さんの逸品・Royal Household(ロイヤル・ハウスホールド)について。
Royalを冠するウイスキー
現行のスコッチ・ウイスキーにおいて"Royal"の名を冠するものには次のようなウイスキーがあります。
・Royal Household ロイヤル・ハウスホールド
(ブレンデッド ジェームズ・ブキャナン社)
・Royal Salute ロイヤル・サルート
(ブレンデッド シーバス・ブラザーズ社)
・Royal Brackla ロイヤル・ブラックラ
(シングルモルト)
・Royal Lochnagar ロイヤル・ロッホナガー
(シングルモルト)
・Glenury Royal グレンユーリー・ロイヤル
(シングルモルト 閉鎖)
あと"Royal"は付いてないですが、Johnnie Walker(ジョニー・ウォーカー)シリーズのKing George Ⅴ(キング・ジョージ5世)というのもありますね。いつか飲んでやろうと狙い続けている1本です。
とはいえ、やはり"Royal"を冠するものは少ない。「王室の」という意味を持つ単語ですし、日本でいうところの「皇室御用達」ってやつですからね。そういう面で、日本は「ロイヤル」を気軽に使いすぎていると思います。「ロイヤルミルクティー」とかね笑
極め付けの王室御用達
そんな"Royal"ウイスキーの中でも極め付けの「王室御用達」がこのロイヤル・ハウスホールドです。その存在自体は10年ほど前から知っていましたが、実際に飲んだのは2015年7月に東京・銀座にあるBar FALさん(https://www.facebook.com/pages/category/Pub/BAR-FAL-512926365724210/)が初めて。
当時のことを綴っています。
でました。贅沢ブレンデッド・ウイスキーの定番品。ジェームズ・ブキャナン社さんが提供する「英国王室の酒」。世界でも3箇所でしか飲むことができないとか。英国王室と昭和天皇との友好な関係により、世界で日本でのみ一般販売が許されているという逸品。バーのマスター曰く、「めでたい時に飲むお客さんが多い酒の代表」になっているらしいです。昔はバランタイン30年がその役目だったそうな。飲みやすく、絹のような上品な舌触りと、とっても長〜い余韻。「浸れるウイスキー」です。これは是非、まるまる1本買って飲んでみたいなー。
そして、本当にまるまる1本買って飲んだのが2017年正月。
年初めは贅沢な一本を。ということで今年はブキャナンさんのロイヤル・ハウスホールドで幕開け。イギリス王室のためのウイスキー。世界中で日本だけで一般販売が許されている至極のブレンデッドウイスキー。詳しいことは書きませんが、2017年を迎えるにあたり、この上ない代物かと。バーで何度か飲んだことはありますが、ボトルを購入したのは今回が初めて。ダルウィニーをキーモルトとした上品なウイスキーです。香りは静かでありながら力強く、チョコレートや果実、シガー、べっこう飴などを思わせます。滑らかで繊細な口当たり。際立った個性がないようでありながら、一つ一つの個性が穏やかに口の中に広がる。果てしなく長い余韻。ブレンデッドの「完璧=パーフェクト」を表現した一つといっても過言ではないでしょう。ジョニーウォーカーのブルーやバランタインの30年、シーバス・リーガルのロイヤル・サルートと比べてもその安定感や上品さはまったく引けを取ることがない。「エレガンスの典型」といって良いでしょう。バーで見かけたら、必ず一杯飲んで欲しいウイスキーです。
ふむふむ。我ながらちゃんとしたことを言っています笑
日本だけで一般販売されているっていうのがこれまた素敵ですね。海外のウイスキー好きさんたちにとって、日本旅行の目的の一つがこのウイスキーとかいう話があったりなかったり。
失われた定冠詞
1993年まで、ロイヤル・ハウスホールドは、「ザ・ロイヤル・ハウスホールド」(The Royal Household)だったそうです。ロイヤル・ワラント(王室御用達)は1993年まで。
The Royal Household 80年代流通ボトル |
上の写真は以下サイトから。
確かに写真の80年代流通していたボトルに描かれているエンブレムは英国王室のものです。いわゆる国章ですね。それに比べて現行のボトルに描かれているエンブレムはジェームズ・ブキャナン社のもの。
ロイヤル・ワラントが更新されなかった理由は定かでないですが、現行のロイヤル・ハウスホールドも十分に贅沢な素晴らしい逸品です。相変わらず高価格ですし。
東京にはなんだかんだで1年と半年もの間行ってないですね…。コロナのおかげで行きづらくなったし。Bar FALさん元気かな?閉鎖した蒸留所のウイスキーとか、なかなかマニアックなウイスキーをリーズナブルな価格で提供してくれる素敵なバーです。是非また伺いたいものです。穏やかにバーで楽しめる日が来ますように。
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