2020年4月15日水曜日

Kilchoman SANAIG


Kilchoman SANAIG
キルホーマン サナイグ

シングルモルト・アイラ・スコッチ
ノンチルフィルタード
ナチュラルカラー
46%

キルホーマン オフィシャルサイト
https://kilchomandistillery.com/

クラフト・ディスティラリーのパイオニア
日本だけでなく、世界中でたくさん生まれている「クラフト・ディスティラリー」。私が思うに、2005年アイラ島最西端の地で産声をあげたキルホーマン蒸留所は、そんなクラフト・ディスティラリーのパイオニアだと思う。アイラ島で実に124年ぶりに新しい蒸留所が誕生した。しかもスコットランドで最小の蒸留所の一つ。それがこのキルホーマン蒸留所。

日本のクラフト・ディスティラリー・ブームの引き金になったのが株式会社ベンチャーウイスキーイチローズ・モルトの成功だとすると、本場スコットランドや周辺のイングランド、ウェールズなんかのビジネスモデルになったのがこのキルホーマン蒸留所だと思うわけです。

昔ながらの製法で、ノンチルフィルタード・ナチュラルカラーにこだわったウイスキー。それこそがキルホーマンのシングルモルトです。


ハウス・スタイルとのコントラスト
キルホーマン蒸留所のハウス・スタイルであるMachir Bay(マキャーベイ)が我が家にやってきたのは、2014年10月。実に5年半年ぶりにキルホーマンのボトルがやってきたわけです。めでたい。

右がキルホーマン マキャーベイ
久しぶりのアイラ島の1本。ピートが冴えます。
このKilchomanさんはとっても若い蒸留所だそうで商品が出たのは近年のことだとか。
アイラ独特の「歯医者の匂い」がとってもキツく、やはり癖になりそうな1本です。
去年飲んだLaphroaig 10年に匹敵するほどキツい。ですが、この抜けの良さ、余韻。
ともにGoodです。アイラモルトを初めて飲むというひとにもオススメできる。そう思います。
  
https://d-ksmt.blogspot.com/2014/10/sunny-sound.html
というのがマキャーベイに対する当時の感想。マキャーベイは、バーボン・バレル80%、オロロソ・シェリー・カスク20%といったブレンドで当蒸留所のハウス・スタイルになっています。それに対して今回飲んでいるサナイグは、オロロソ・シェリー・カスク70%、バーボン・バレル30%というブレンド。まさに「マキャーベイの逆」というに相応しい一本です。

「サナイグ」というその名にもマキャーベイとのコントラストが色濃く表れている。武川蒸留酒販売さんの説明が非常に分かりやすい。
「サナイグ(Sanaig)」とは、蒸溜所から北西に位置する岩の多い小さな入り江の名前。美しく広がるサンドビーチ「マキヤーベイ」と対照的なアイラ島の海岸線です。 
https://mukawa-spirit.com/?pid=104931789

脱線になりますが、キルホーマンシングルカスク・シリーズもこれまた素敵。
昨秋、従兄弟と一緒に訪れた新宿のバー・BAR HERMIT SCOTCH SIDEさんで最後に飲んだKilchoman Bourbon Matured Single Cask(キルホーマン バーボン・マチュアード・シングル・カスク)

BAR HERMIT SCOTH SIDEにて
これはバーボンのシングルカスク。これまた素晴らしい一杯でした。
長い夜のトリを飾ったのはキルホーマン。2005年にアイラ島西部に創立したこの蒸留所から、わずか15年足らずの間に素晴らしいボトルがいくつも世にリリースされています。
キルホーマンのフラッグシップブランド、Machir Bay(マキャーベイ)を飲んだのは買って何年前だろうか?
キルホーマン蒸留所のオフィシャルサイトがとにかくお洒落。
https://kilchomandistillery.com/
このバーボン・マチュアード・シングル・カスクは、8年もの。どうやらファーストフィルのバーボン樽で熟成されたそうで、マキャーベイっぽさがもっと強調されている感じですかね。ピート感と甘くて長い余韻。
日本もそうですが、世界中で新しい蒸留所がどんどん産声をあげている昨今。このキルホーマン蒸留所はそんな新鋭シングルモルトたちの、まさにフラッグシップモデルになるんでしょう。本当に素晴らしいブランディング。見習いたいものです。

ヘビリー・ピーテッド・ウイスキー
ちなみに、サナイグの蒸留に使われているモルトのフェノール値は50ppm。これはマキャーベイと同じです。このフェノール値は、ラフロイグ10年やポート・シャーロット10年(ブルイックラディ蒸留所)、昨年のウイスキーof the year 2019で金賞に輝いたブナハーブン  モアンヌを凌ぐもので、ヘビリー・ピーテッドなウイスキーと言って間違いないと思います。ちなみにさらにヘビリーなものとなると、55ppmのアードベッグ10年、約200ppmのオクトモア・シリーズ(ブルイックラディ蒸留所)くらいになります。改めてオクトモアのフェノール値って異常ですね笑


ピートとビターな時間

香り
強く華やかな香り、オレンジピール、ロゼワイン、チャーされたバーボンバレル、キャラメル、バニラ


ピート、フルボディ、バター飴、塩分、ビターチョコレート、枝付きレーズン

余韻
少しピリッとしたスパイシーさ・ゼスティさを残しながら心地よくピートが鼻から抜けていく、ぶわっとレーズンが漏れる、後に穏やか

ドロップ・アップ(1滴加水)
香りは、オレンジピール、キャラメルが前面に出てくる。少しバニラも強調される。味は塩分が濃くなる。焚き火感が増す。レーズンは味が薄まる。余韻はベタっと口蓋に張り付くタンニンの印象が強まり、ピートは抜けがやや悪くなり、より重たさを伴う。

これは癖になるね。個人的にはマキャーベイよりも好きだ。




D:KSMT(Daisuke Kusumoto)のブログ、応援よろしくお願いします!


ウイスキーランキング

にほんブログ村 酒ブログ 洋酒へ
にほんブログ村


D:KSMT official web site
https://kusumo10dice.wixsite.com/d-ksmt

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントはこちらから。