オーストラリアン・ウイスキーは、日本語サイトにはあまり紹介されてないようで。ということで、英語版のwikipediaを調べたりしながら学んだことをまとめていきます。
オーストラリアのウイスキー事情
最初にオーストラリアとヨーロッパに関する歴史を簡潔に。
1606年 オランダの探検家によりヨーロッパ人に初めて発見される
1770年 イギリスが東半分を領有主張
1828年 全土がイギリスの植民地に
1901年 イギリスから事実上の独立
非常にざっくりしてますが、ご存知の通りイギリスの植民地であったわけで、今でも国旗にはユニオン・ジャックが描かれています。
photoACから |
ということでオーストラリアにウイスキー文化をもたらしたのは、他でもないイギリス人ということでほぼ間違いないでしょう。
そんな背景もありオーストラリアン・ウイスキーは、スコッチ・ウイスキーの影が色濃いわけです。が、スコッチに比べて多様なウイスキーがみられるのも特徴。それはシングルモルト、ライ、小麦(グレーン)、ブレンデッドといったものを含みます。
世界一のウイスキー消費国だった
これは非常に以外だったんですが、オーストラリアは130年間もの間、世界で一番のウイスキー消費国だったそうです。何が世界一かというと、国民一人当たりの消費するウイスキー量。今では台湾が世界一ですよね?確か…。
オーストラリアン・ウイスキーの3大時代
Wikipediaによると、オーストラリアン・ウイスキーの歴史は3つの時代に大別できるそうです。
①The colonial malt whisky period (Victoria 1863–1929)
②Blended whisky period (Victoria 1930–1980)
③The boutique whisky period (Since 1992)
①The colonial malt whisky period (Victoria 1863–1929)
[植民地的モルト・ウイスキー時代]
オーストラリアにおける蒸留の歴史は1820年にまで遡ることができるそうです。1822年にタスマニア州で最初の政府公認蒸留所がオープン。しかし、タスマニア州の蒸留所はすぐに衰退してしまい、1838年から1990年の間、タスマニア州には一つもウイスキー蒸留所がない時代が続いたそうです。タスマニア州に代わってウイスキー産業の中心地となったのが、オーストラリア本土のビクトリア州。1990年まで、オーストラリアン・ウイスキーの85%はこのビクトリア州で産出されたそうです。
1863年、オーストラリア初の大規模な蒸留所がバララット近郊に完成。John Dunnが設立したワーレンハイップ(Warrenheip)蒸留所です。この蒸留所は1930年までオーストラリアで2番目に大きい蒸留所でした。この蒸留所ができたことが1つ目の時代の始まりだったそうです。
②Blended whisky period (Victoria 1930–1980)
[ブレンデッド・ウイスキー時代]
1930年、イギリスの大企業がイギリスから輸入した機材を使って蒸留をオーストラリアで始めました。その会社とは、The Distillers Company of Edinburgh(ザ・ディスティラリーズ・オブ・エディンバラ)でいまではDiageo(ディアジオ)という名で知られています。
って、ディアジオか!!そりゃーでかいですよね。日本のサントリーみたいな会社ですよね。
第2次世界大戦後、当時・世界で2番目に大きい蒸留会社であったGilbey’s of London(木ルビーズ・オブ・ロンドン)がメルボルンに蒸留所をオープン。
これはつまり、オーストラリアン・ウイスキーのほとんどが、2つの大きなイギリスの会社に牛耳られた、ということを意味します。
国内ウイスキーの需要を守るため、法律はこの2社に対して輸入スコッチ・ウイスキーよりも40%安価な価格で販売することを許可。それに伴い、国内市場への戦略として、2社は低品質のウイスキーをオーストラリア国内で生産・販売しました。
1960年に法律が改正。価格面での優位性をなくした2社は衰退していきました。
③The boutique whisky period (Since 1992)
[ザ・ブティック・ウイスキー時代]
1992年、タスマニア州で小さなクラフト蒸留所が産声をあげます。それがラーク(Lark)蒸留所。オーストラリアにおけるクラフト蒸留所のグランドファザーと呼ばれ、オーストラリアで初のウイスキー殿堂入りを果たしたBill Larkが設立しました。その後を追うように小さな蒸留所が、次々とタスマニア州やビクトリア州で設立されていきます。
そして、近代ウイスキー蒸留所としてオーストラリアで2番目に長い歴史を持つサリヴァンズ・コーブ(Sullivans cove)蒸留所が、2014年にWWA(World Whiskies Awards)で世界一のシングルモルトに輝きました。受賞したのはサリヴァンズ・コーブ・フレンチオークカスク47.5%。これはスコットランドと日本を除いた地域では初の快挙。もちろん南半球初。
現在、オーストラリアでは約50の蒸留所がウイスキーを製造しています。
続く。
(参考)
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