2020年7月15日水曜日

オーストラリアン・ウイスキー その1

オーストラリアのウイスキー。あまり聴き馴染みのない言葉です。が、最近オンラインストアでもちょくちょく目にするので調べてみることにしました。

オーストラリアン・ウイスキーは、日本語サイトにはあまり紹介されてないようで。ということで、英語版のwikipediaを調べたりしながら学んだことをまとめていきます。


オーストラリアのウイスキー事情
最初にオーストラリアとヨーロッパに関する歴史を簡潔に。
1606年 オランダの探検家によりヨーロッパ人に初めて発見される
1770年 イギリスが東半分を領有主張
1828年 全土がイギリスの植民地に
1901年 イギリスから事実上の独立

非常にざっくりしてますが、ご存知の通りイギリスの植民地であったわけで、今でも国旗にはユニオン・ジャックが描かれています。

photoACから
ということでオーストラリアにウイスキー文化をもたらしたのは、他でもないイギリス人ということでほぼ間違いないでしょう。

そんな背景もありオーストラリアン・ウイスキーは、スコッチ・ウイスキーの影が色濃いわけです。が、スコッチに比べて多様なウイスキーがみられるのも特徴。それはシングルモルト、ライ、小麦(グレーン)、ブレンデッドといったものを含みます。


世界一のウイスキー消費国だった
これは非常に以外だったんですが、オーストラリアは130年間もの間、世界で一番のウイスキー消費国だったそうです。何が世界一かというと、国民一人当たりの消費するウイスキー量。今では台湾が世界一ですよね?確か…。


オーストラリアン・ウイスキーの3大時代
Wikipediaによると、オーストラリアン・ウイスキーの歴史は3つの時代に大別できるそうです。

①The colonial malt whisky period (Victoria 1863–1929)
②Blended whisky period (Victoria 1930–1980)
③The boutique whisky period (Since 1992)

①The colonial malt whisky period (Victoria 1863–1929)
[植民地的モルト・ウイスキー時代]
オーストラリアにおける蒸留の歴史は1820年にまで遡ることができるそうです。1822年にタスマニア州で最初の政府公認蒸留所がオープン。しかし、タスマニア州の蒸留所はすぐに衰退してしまい、1838年から1990年の間、タスマニア州には一つもウイスキー蒸留所がない時代が続いたそうです。タスマニア州に代わってウイスキー産業の中心地となったのが、オーストラリア本土のビクトリア州。1990年まで、オーストラリアン・ウイスキーの85%はこのビクトリア州で産出されたそうです。

1863年、オーストラリア初の大規模な蒸留所がバララット近郊に完成。John Dunnが設立したワーレンハイップ(Warrenheip)蒸留所です。この蒸留所は1930年までオーストラリアで2番目に大きい蒸留所でした。この蒸留所ができたことが1つ目の時代の始まりだったそうです。

②Blended whisky period (Victoria 1930–1980)
[ブレンデッド・ウイスキー時代]
1930年、イギリスの大企業がイギリスから輸入した機材を使って蒸留をオーストラリアで始めました。その会社とは、The Distillers Company of Edinburgh(ザ・ディスティラリーズ・オブ・エディンバラ)でいまではDiageo(ディアジオ)という名で知られています。

って、ディアジオか!!そりゃーでかいですよね。日本のサントリーみたいな会社ですよね。

第2次世界大戦後、当時・世界で2番目に大きい蒸留会社であったGilbey’s of London(木ルビーズ・オブ・ロンドン)がメルボルンに蒸留所をオープン。

これはつまり、オーストラリアン・ウイスキーのほとんどが、2つの大きなイギリスの会社に牛耳られた、ということを意味します。

国内ウイスキーの需要を守るため、法律はこの2社に対して輸入スコッチ・ウイスキーよりも40%安価な価格で販売することを許可。それに伴い、国内市場への戦略として、2社は低品質のウイスキーをオーストラリア国内で生産・販売しました。

1960年に法律が改正。価格面での優位性をなくした2社は衰退していきました。

③The boutique whisky period (Since 1992)
[ザ・ブティック・ウイスキー時代]
1992年、タスマニア州で小さなクラフト蒸留所が産声をあげます。それがラーク(Lark)蒸留所。オーストラリアにおけるクラフト蒸留所のグランドファザーと呼ばれ、オーストラリアで初のウイスキー殿堂入りを果たしたBill Larkが設立しました。その後を追うように小さな蒸留所が、次々とタスマニア州やビクトリア州で設立されていきます。

そして、近代ウイスキー蒸留所としてオーストラリアで2番目に長い歴史を持つサリヴァンズ・コーブ(Sullivans cove)蒸留所が、2014年にWWA(World Whiskies Awards)世界一のシングルモルトに輝きました。受賞したのはサリヴァンズ・コーブ・フレンチオークカスク47.5%。これはスコットランドと日本を除いた地域では初の快挙。もちろん南半球初。

現在、オーストラリアでは約50の蒸留所がウイスキーを製造しています。

続く。

(参考)


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