2026年9月1日火曜日

THE STROKES "REALITY AWAITS"

Tower Recordsから拝借

7月下旬、予定よりも1ヶ月遅れで発売されたのがTHE STROKESの7th スタジオ・アルバム"REALITY AWAITS"(リアリティ・アウェイツ)です。

そう、久しぶりに音楽の話をさせていただきます。最初は綴るつもりはなかったのですが、これは綴らんといかんやつなんかなと笑


結論を先に言いますと、このアルバムは最高です。前作"THE NEW ABNORMAL"(ザ・ニュー・アブノーマル)が2020年4月に発売され、コロナ禍真っ只中の世相とマッチしたと言いますか、久しぶりにメンバー全員が揃ってレコーディングしたというファン感涙の内容でもあったため、グラミー賞を初受賞したわけです。が、正直今作の方が作品としてのクオリティが高いと思います。

ギターのアルバート・ハモンドJr.さんが「何回でも連続で聴けるアルバム」的な発言をしていましたが、まさにその通り。このLPが家に届いてから1ヶ月あまり、家にいる日はほぼ毎日このレコードを聴いています。出張中もホテルや移動中に何曲かは聴いています。

それくらい、久しぶりに「のめり込んでしまう」作品です。恐ろしい。

そもそもTHE STROKESって何なの?って方はオフィシャルサイトやwikipediaをご覧ください。激しく割愛します笑




2001年にデビューした彼らは、瞬く間に「ロックンロール・リバイバル」なるムーブメントを巻き起こし、その後のバンドマンたちに多大な影響を与えたわけです。

2001年といえば私は中学校1年生で、彼らの影響を受けまくって育ったわけです笑

個人的には「ロックンロール・アイドル」だと思っています。当時のロック小僧なら誰もが一度は憧れた(言い過ぎw)のではないかとも思います。


若かりし頃のTHE STROKESのMVの中で一番好きなやつです。3rdアルバムに収録されている"Heart In A Cage"。最後にニック・ヴァレンシさんがギターを落とすシーンが特にいいですね。高校生の頃に衝撃を受けたのを今でも覚えています。というか、今でもたまに観ます笑

デビューから25年経ち、前作でグラミー賞も獲ってしまったベテランバンドがどんなアルバムを出してくるんだろうと半信半疑な気持ちでLPの到着を待っていたわけですが、ぶっ飛んでしまいましたね、はい。

ジュリアン・カサブランカスさんの唯一無二の歌声に、エフェクトを深めにかけたりして、賛否両論あるようですが、私は「賛」一択です。幅や奥行きの広がりを感じるし、聞き飽きない要素の一つなのかなとも思ったり。


先行シングルの"Going Shopping"。明るい雰囲気と、なんとなく「物足りない」スカスカな感じが心地よい。いや、正直に言うとこの先行シングルを聴いた時、今作に対して「あまり期待が持てないな」と感じたのは包み隠さず言っておきます。

曲はとってもキャッチーで素敵なんですが、なんというか新しさというか、刺さるものがないというか。ただ、アルバム全体を何度も聴いてるとこの曲が選ばれた意味がわかるような気もしたりしなかったり。

"THE NEW ABNORMAL"からシングルカットされた"Bad Dicisions"のMVもそうだったけど、なんだかバッドエンドのMV多いよね。なんか怖い笑


そして、アルバムからはもう一つ先行で公開された"Falling out of Love"


こんなバラードをジュリアンが歌うってのが素敵です。この曲は今回のアルバムで一番ハマりました。

こんなに美しいメロディがまだロックには残っていたのか。と、COLDPLAYの新譜を聴くたびに思っていたことを、まさかTHE STROKESで感じることになるとは。

コード進行はとてもシンプルで、アルバムのテーマ?的な「不穏な空気」が曲の終盤に出てくるものの全体を通じて素敵なバラードロックって感じですね。


さて、先行シングル2曲の紹介が終わったところで、ようやくアルバムについて語っていこうと思います。

A1  Psycho Shit
A2  Dine N'Dash
A3  Lonely in the Future
A4  Falling out of Love
B1  Going to Babble On
B2  Going Shopping
B3  Liar's Remorse
B4  The Fruits of Conquest
B5  Tyrants of the Mellow Moon

以上9曲。

まず1曲目の"Psycho Shit"。この曲が今回のアルバムの空気感を全て作っていると言っても過言ではないかな。全体的に「不穏な空気」なんです。これが"REALITY AWAITS"( = 現実が待っている)と言うアルバムタイトルとも繋がっていると言うか、如実に言い表していると感じるわけです。

暗い、悲しいわけではないんですが、何か鬼気迫るものがあるというか。一音一音が重たいんですよね。怖い。。。

2曲目は"Dine N'Dash"。「食い逃げ」って意味らしい。この曲はシングルでも良かったんじゃないかなって思うくらい良い曲です。ノリも良いし、THE STROKESらしいと言えばらしいサウンド。そこに「不穏な鬼気迫る空気」が押し寄せてくる。怖いくらいハマります。

次の"Lonely in the Future"は、キャッチーな曲や歌詞なのに、イントロの音がメタル齧り始めたパンクバンドみたいな重さがあって、そのギャップが素晴らしい。これまでの曲と違って、明るい雰囲気。ただ、「すっからかん」と言うか「物憂げな」感じが漂っております。日本で開催されたサマーソニック2026にて、世界で初めてライブ演奏されたってのも話題になりましたね。

そしてA面最後は"Falling out of Love"。この曲でA面が終わるという流れがとても好きです。余韻が半端ない。


ひっくり返してB面。

1曲目の"Gong to Babble On"は、サウンドが心地よい、これぞTHE STROKESって感じの音。このアルバムでは唯一と言っていいほど「不穏な空気」を感じない。終始爽やかwww

お次の"Gong Shopping"は前述した通りですが、シングルで聴いた時の「期待が持てないな」ってのは吹っ飛んでしまいましたね、この曲がシングルで良かった。なんと言うか、現在の雰囲気を凝縮したようなサウンドがてんこ盛りな今回のアルバムなわけなんですが、この曲がそれを顕著に物語っていると思えるんですよね。嫌なこと(現実)に目を背けて、買い物を楽しんでいる雰囲気。見て見ぬ振りと言いますか。そういう要素は少なからず皆あるんじゃないかな、って思ったり。とても話題になった今年のコーサラでの"Oblivious"。これを観た時から、社会的なことを言いたいんだろうなぁって感じで、アルバムタイトルが「現実が待っている」だったので、みんなジュリアンが何か言いたいことがあるってことはわかっていたと思うんですが、それを良い意味で且つ面白おかしく伝えてくれてるのがこの"Going Shopping"だと思うのです。


3曲目の"Liar's Remorse"(嘘つきの後悔)は、スローなナンバーながら力強いジュリアンの歌声といろんな音を実験的に繰り出している感じがとてもハマる。正直、何度か聴いてみないと、アルバムの中にある「捨て曲」(大変失礼な言い方で申し訳ない)なのかなとも思っていたけど、全くそんなことはない。聞けば聞くほどハマる、スルメです。曲の最後に急に聞こえてくるピコピコ音も良いです。オフィシャルサイトの雰囲気にピッタリ。レトロ好きやなぁ。

4曲目は"The Fruits of Conquest"(征服の果実)。最後の2曲はレコーディングを行ったコスタリカで生まれた曲らしい。確かに雰囲気が違う。でも曲名を見ると、やはり「なんか言いたい感じ」は伝わってくる笑 ミドルテンポで、ところどころ南の国っぽい音が入るこの歌は、これまた癖になる旋律。そしてやはり「不穏な空気」。徹底してますよね。

そして最後の"Tyrants of the Mellow Moon"(穏やかな月の暴君たち)。こいつらのことがジュリアンは大嫌いなんだろうなぁって感じのタイトルですよね笑 その割には曲はキャッチーで、「不穏な空気」はイントロのみ。本編が始まると穏やかで、なんと言うか落ち着いた着地。そのせいで、またひっくり返してA面から聞き始めるっていう半永久的なループをさせてしまう恐ろしい仕掛け。いやぁ、完全にやられた笑 

30歳過ぎてもこんなに中学生の頃みたいに同じアルバムもずっと聞き続けるなんてことがあるんですね。新発見です。こんな気持ちを教えてくれるTHE STROKESに改めて感謝です。実はまだ生では見たことがないんですが・・・。ニック・ヴァレンシさんが復活されたら見に行きたいなぁ。次のアルバムってなったらまた5年とか空くのかなぁ。。。


それでは皆さん、良い夜を。

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