2023年3月3日金曜日

Black & White 特級


Black & White 特級
ブラック&ホワイト特級

スコッチ・ブレンデッド
ジェームズ・ブキャナン社
43%
輸入:日本ヒューブライン

ヤフオクで手に入れたウイスキー特級ボトル。12月くらいに個人的に「オールドボトル」のブームが一時的に訪れて、ついにヤフオクに手を出してしまいました汗

実を言うと、当初「ホワイトホース」特級を狙っていたんですが、終了間際でどんどん競り上がってしまいまして。5,000円を超えた時点で手を引きました。最終的にいくらになったのかは追っておりません。

しかし、どうしても「特級」を諦めきれず、色々探してこの「ブラック&ホワイト」に辿り着きました。予算5,000円以内で見事に競り落とすことができました。というか、あまり競売者がいなかった。そんな人気ないのかな?笑



ジェームズ・ブキャナン氏の名作
1879年に誕生したこのブレンデッド・ウイスキーは当初「ブキャナンズ・ブレンド」という名前だったそうです。この「ブラック&ホワイト」同様、白地に黒文字で"Buchanan's"と書かれていたそうで、そのデザインがモダンだったことから「ブラック&ホワイト」という愛称で親しまれました。

その愛称(ニックネーム)をブキャナン氏が商品名にしてしまったというのがこの商品。

まるで、"Grouse"が"The Famous Grouse"になったような話で、創業者たちの遊び心というか、先見の名というか。素晴らしいセンスだなと思います。

ボトルにも書かれている「グレントファース蒸留所」は1898年にブキャナン氏によって建てられた蒸留所。当時、デュワーズ社、ジョン・ウォーカー社と並んでブレンダーのビッグスリーと言われたブキャナン社。

現行のボトルデザインでも描かれている2頭の犬は、スコットランドの代表的犬種であるスコティッシュ・テリア(黒)ウエストハイランド・テリア(白)

ブキャナン氏が大の愛犬家であったことがデザインの由来だそうです。



特級=1989年以前
あまり私のブログではオールドボトルについて取り扱ったことがないので、改めて特級表示とは何かという点でまとめておこうと思います。

ウイスキーの級別区分は日本で1943年〜1989年まで用いられた制度で、古くは「1級、2級、3級」、1953年以降は「特級、1級、2級」に分けられています。

あまり細かいことを言うのはめんどくさいので(すいません、そういう性格です笑)、1978年〜1989年の所謂「最後」の区分を簡潔に書くと以下のようになります。

「特級」
アルコール度数:43%以上
原酒混和率:27%以上 ※酒税法基本通達上30%以上

「1級」
アルコール度数:40%以上
原酒混和率:17%以上 ※酒税法基本通達上20%以上

「2級」
アルコール度数:特級、1級に該当しないもの
原酒混和率:特級、1級に該当しないもの ※酒税法基本通達上10%以上

1989年に級別制度廃止。現行酒税法によって、現在のウイスキーは「原酒混和率10%以上」と定義されています。

あまり書くと元々の話から脱線してしまうので堪えますが、現行の酒税法って最悪ですよね。なんで、「特級」ではなく「2級」に水準を合わせたんでしょう・・・???

そんなものばかりが溢れているので、ジャパニーズ・ウイスキーを5大ウイスキーに入れて良いのか、私はいまだに懐疑的です。

2024年から施行される「ジャパニーズ・ウイスキーの定義」は、スコッチに倣った素晴らしい規定です。しかし、これも日本洋酒酒造組合による自主基準であり、法的拘束力はない。日本ウイスキーの道は、まだまだ荒れています。これからです。



そのまんま甘口シェリー
さて、小難しい話はこれくらいにしておかないと折角のお酒が美味しくなくなるので笑

ジェームズ・ブキャナン社の名作「ブラック&ホワイト」。760mlという絶妙なボリュームにも時代を感じます。

アルコール度数は多分だいぶとんでしまっていますが、古いシェリー樽の甘み、もはや甘口シェリーを飲んでいるような感覚が愛おしいです。

しかし、それでいてスモークがうっすら感じられるからウイスキーって素晴らしい。

香り
バニラ、オーク、色とりどりの花、オレンジ

甘口シェリー、ドライフルーツ、キャラメル、ビスケット、スモーキー

余韻
穏やかで長い、優しく膨らむ、ほんの少しスパイシー

ドロップ・アップ(1滴加水)
香りは果実感が強まる。口に含むとまさにオーク。樽を舐めているみたい。舐めたことないけど笑 余韻は相変わらず穏やかで軟らかい。


レーダーチャート
得点 80点
オールドボトルを同じ基準で判定すべきかは疑問ですが、あくまで同基準で考えてみるとこんな感じですかね。もちろん及第点です。経験してみる価値あり。

ちなみにオールドボトルは、あたりはずれが激しいのであまりお勧めしません。バーテンダーさんが勧めてくれたら飲みましょう笑

ブキャナン氏の名作「ブラック&ホワイト」は、現行品も非常に美味しいので、もっと多くの人に楽しんでもらえればと。実は1000円台で購入できるスコッチウイスキーで私が一番おすすめしている銘柄でもあります。バランスが素晴らしいんですよね。これで1000円台はコスパ最強。