2022年6月4日土曜日

STR樽とは?

6月、早くも4日。あっという間に流れていく月日。広島にも梅雨が間もなくやってくる気配。そんな土曜日。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、今日はウイスキーに使われる樽について少し話しておきたいと思います。話す、とか言ってますが、最近知った言葉を備忘録的に綴っておきたいだけです笑

キルホーマン STRカスク

STR樽
先日、某蒸留所のSTR樽熟成の原酒をテイスティングさせていただく機会がありまして。最初、「STR??」ってなったので調べました。

STR樽とは赤ワイン樽をS=シェービング(Shaving)、T=トースティング(Toasting)、R=リチャーリング(Re-Charring)した特別な樽のことだそうです。

このSTR樽について、非常に詳しく書かれた記事があったのでご参考にどうぞ。

上記のウイスキー・マガジンさんの記事でも書かれているように、このSTR樽を考案したのは故ジム・スワン氏(1941-2017)"Einstein of Whisky"(ウイスキーのアインシュタイン)と称された人物で、蒸留所のコンサルタントとしても活躍。スコットランドでは、リンドーズアビーやキングスバーンズなどがその代表。イスラエルのミルク&ハニーや台湾のカバランにも英知を授け、イングランドではコッツウォルズとセントジョージズ蒸溜所の設立にも貢献した(ウイスキー・マガジンから引用)重要人物です。


STR樽はいいこと尽くし?
そして、ウイスキー・マガジンで書かれている中で私が特に興味深かったのは、「STR樽を使うウイスキーメーカーは、その樽にもともと入っていたワイン自体からの影響をさほど期待していない。その代わり、ワイン樽の原料であるオーク材から風味を獲得するのが主たる目的」という点と、「STR樽から得られる特性は、どうやらニューメイクスピリッツに統合されるスピードが早いという主張である。それも伝統的なワイン樽だけでなく、オーク新樽よりも風味のまとまりが早い」という点。

1つ目の「ワイン自体からの影響ではなく、オーク材から風味を獲得するのが目的」という点のために、STRという3つの工程が行われるというもの。赤ワインの特徴が染み付いている樽内側の表面部分を削り(シェービング)、トースト(遠赤外線加熱)とリチャー(直火加熱)を施し、内側から見てより奥にあるオーク材の成分を抽出しようとする試み。

そして、それらの工程が2つ目のニューメイクスピリッツに統合されるスピードが速く、ワイン樽やオーク新樽よりも風味を早くまとめることができる、っていうことが非常に驚き。

赤ワイン樽熟成の原酒は、もちろん個体差が激しいですが、個人的にはエグみが強い印象があってやや苦手。ブレンディングにはわざとそういったエグみを加える(ブレンドする)ことで、味わいに奥行を与える効果があると思いますが、シングルカスクとしては好みが分かれるところでしょう。

それに比して、先日テイスティングさせていただいた某蒸留所のSTR樽熟成シングルカスクは、モカっぽいフレーバーが印象的で、赤ワインの渋みもいい具合に残っていました。そして加水するとそれがより良いまとまり方をして素敵だった。個人的にはハマったのでした。

いろいろな蒸留所でSTR樽は使われているようで、上にあげた揚げたキルホーマンのように商品化して市場に出回っている(もしくは出回った)ものも散見されます。

もし、出くわされた際は是非試してみて欲しいです。Amazonや楽天市場では見当たりませんでした・・・。トホホ


余談ですが、私が普段お世話になっている武川蒸留酒販売さんで我らが桜尾のウイスキー樽熟成梅酒が取り扱われていたのを発見したのでリンク貼っておきます。

https://www.sakuraodistillery.com/singlemalt/umeshu.html

それでは皆さん、良い夜を。

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