2019年7月6日土曜日

Amrut (Indian Single Malt Whisky)


Amrut
アムルット
(インディアン・シングルモルト)
ノンチルフィルタード
ナチュラルカラー
46%


インド南部バンガロールで育まれるシングルモルト
D:KSMT(クスモトダイスケ)史上初のインディアンウイスキー。
創業1948年の老舗インディアンウイスキーのアムルット蒸留所は、標高914mと世界で一番高いところにある蒸留所。スコットランドで一番高いところにあることで有名なダルウィニー蒸留所が標高326mってことを考えると本当に高い場所にあることになりますね。てか、スコットランドの山ってそもそも低いね・・・笑

ちなみに世界的にも高いところにあることで有名な日本・サントリーの白州蒸留所は標高700mにあります。アムレット蒸留所は白州よりも全然高いんですね。これは魂消た。

インド南部の「田園都市」バンガロールという都市に位置するアムレット蒸留所。ちなみに地図でみるとこんな感じ。

by Google Map

緯度で言うと、北緯12度とかですから、熱帯ですね。バンガロールという都市は、人口842万人という大都市(wikipediaによる)。そんなバンガロールで育まれるシングルモルト・ウイスキー。ヒマラヤ山脈の丘陵地帯産のインディアン大麦と、スコットランド・インバネス産のピートを使用。


「モルト・ウイスキー本来の味を大切にする」
saketryというサイトで詳しくアムレット蒸留所のことが書かれておりました。
https://www.saketry.com/variant-12772.html?sl=ja
アムルット蒸留所
 インド独立の翌年にあたる1948年に創業。場所は「インドの田園都市」と称されるインド南部・カルナータカ州の州都「バンガロール」にあります。「インドの田園都市」と称される理由の一つとして、“熱帯地方”なのに夏は37度以上にならず、冬は12度を下回らないため、非常に過ごしやすい気候風土です。また、この土地は、蒸留所としてはずば抜けて高地にあり、その高さは914m(3,000フィート)に及びます。比較として「スコットランドで最も標高の高いスコッチ蒸留所」という「ダルウィニー蒸留所」が326m(1073フィート)、高地にあることで有名な日本の「白州蒸留所」が700m(2296フィート)であることから、いかに標高が高いかわかるでしょう。では、「標高が高くなれば、うまくなるのか」という疑問はあると思いますが、当然「環境」という要因は、熟成に影響を与えます。
 
3倍早く熟成が進む特異な環境
 ウイスキーは樽を通して呼吸をしており、エンジェルシェアを見ると、本場スコットランドでは2~3%、米国ケンタッキーでは12%、対してインド「バンガロール」では10~16%という高い数値になります。これは「それだけたくさんの蒸散・呼吸・濃縮を繰り返している」という証拠です。一言で言えば、「この極めてユニークな立地条件で作られるウイスキーは、通常のスコッチウイスキーよりも熟成が早く進む」ということであり、一説によると、3年物が10年物と同等の熟成度合いを誇るそうです。
 また、原料にもこだわっており、大麦はヒマラヤ山脈の清涼な丘陵地帯で、昔ながらの伝統農法を用い耕作された麦を使用、香り付けに使うピートはスコットランドのインバネス産の物を使用しています。
ジム・マーレー氏が大絶賛。
「世界第3位のウイスキー」とまで言わしめた「高品質ウイスキー」
 なお、製品において貫かれている思想は、「モルト・ウイスキー本来の持ち味を大事にする」こと。したがって、冷却濾過を行わず“機械化よりもむしろ人力”を合い言葉に、1本1本手作業でボトリングされています。これらの丁寧かつ実直な仕事ぶりが味に影響しないわけが無く、この味に惚れ込んだのがロビン・トチェック率いるブラックアダー社です。「自然の恵みそのままをボトリングする」という信条を持つ氏の目には、「パートナーにふさわしい相手」と映ったのでしょう。ブラックアダー社では、最初に4年間インドで熟成し、後にスコットランドへ運びオーク樽で更なる熟成を行ってからボトリングを行いました。その結果は明白です。アムルット・ブランドはオフィシャルも含めてヨーロッパ市場で瞬く間に高い評価を獲得しました。特に、ウイスキー・エキスパートの第一人者である「ジム・マーレー」氏がその著作「ウイスキー・バイブル2010年度版」(写真)にて“アムルット・フュージョン”を「世界第3位のウイスキー」とまで絶賛し100点満点中97点のスコアを得たことは快挙と言えるでしょう。
 
受賞歴多数。ヨーロッパが認めるブランド
 その他にも「モルト・マニアックス」や「IWSC」にて高評価。銀賞、銅賞など受賞履歴は枚挙にいとまがない程です。舌の肥えた欧州のモルト愛好家が認めた逸品、それが、「アムルット」なのです。


熱帯の天使は大酒飲み
ブラックアダー社とか、ジム・マーレーとかウイスキーを嗜む者ならビビるぐらいの大物たちに愛されるウイスキーなんですね。確かに自然な状態のウイスキーを提供しようとする姿勢、これは尊敬に値するものです。

saketryで書かれているように、緯度の低い=熱帯の地域の方が「天使の分け前」が多く、ウイスキーの熟成が早いということは台湾のKAVARAN(カヴァラン)蒸留所などでも言われていることです。つまり、赤道に近い天使は大酒飲みということです。という事実を考慮すると、インディアンウイスキーは、スコッチのように3年以上じゃないと「ウイスキー」として世に出せないといった縛りから解放されてもいいような気がしますが・・・。


インディアンウイスキーの革命児
ってことを思ったので、インディアンウイスキーの定義を知りたくなって、wikipediaを見てみると、次のように書かれていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
特に英語圏でインディアン・ウイスキーと呼ばれるインドにおいて生産されるウイスキーについて述べる。インドで「ウイスキー」と表記されている蒸留酒は一般的に、発酵した廃糖蜜から蒸留された中性スピリッツに10‐12%ほどの少量の伝統的な意味でのモルト・ウイスキーを混合したものである。インド以外では、このような飲料はラムとして表記されることが多い。スコッチ・ウイスキー協会の2013年の報告によれば、欧州連合 (EU)と異なり、「インドにおいてはウイスキーの分類に関する従うべき定義は存在せず、インド国内の自発的な基準ではウイスキーを穀物から蒸留する必要も、熟成させる必要もない。廃糖蜜や中性スピリッツの使用、(もしあるとしても)限定的な熟成、そしてフレーバーの使用により、EUにおいてウイスキーと認められるインドの『ウイスキー』はわずかである。これらのスピリッツは、もちろん、本物のウイスキーとくらべて相当安い値段で生産できる」。インドで消費されるウイスキーの90%が廃糖蜜をベースにしたものであるが、全てがモルトやほかのグレーンから蒸留されたウイスキーも製造・販売されている。
なかなかにユルイ笑

しかし、このゆるーいインディアンウイスキーの中で、シングルモルトの高級ウイスキーを作った革命児、これこそがアムルット蒸留所なのだ!!

ボトルを入れる缶に書かれた説明によると、"AMRUT"の意味はサンスクリット語に紀元があり、「命の万能薬」という意味だそうです。

なかなかにゆるいインディアンウイスキーの中で、本格的なシングルモルト・ウイスキーを作り出したアムレット蒸留所。感服いたしました。


エレガントでありスパイシー
さてさて、いつになく長い前振りが終わりいよいよ私個人によるテイスティングコメント笑

香り
樽、バター飴、ナッツ、(てかスコッチでは?)


バター、キャラメル、ナッツ、スパイシー、上品で軽やかなピート感、まろやか

余韻
丸い、おだやか、心地よい、エステリー

といった感じで総じて「エレガントでありスパイシー」な印象。ピート感をめっちゃ感じたい人には別におすすめしない。が、上品なシングルモルト・スコッチ・ウイスキーを飲みたい方にはおすすめ。間違いなく美味。年数表記をしていないあたり、おそらく10年には満たない年月なんだろうけども、確かにスコッチの12年や15年くらいには相当しそうな気がする。

ながーく残るエステリー感は流石。ジム・マーレーも唸るわけだ。





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